最近、就活や人事評価の場で「リーガルマインド」が注目されていることを知っていますか?
リーガルマインドは”リーダーシップ”にも通ずる要素があるため、リーガルマインドを身につけることで役職がつき、出世して給与がアップする可能性も!
僕は職業柄、社長さんをはじめ人事権を握る方と接する機会が多いんですが、リーガルマインドを重視してる方は本当に多いです。
そこで今回は、
- リーガルマインドとは何か
- リーガルマインドが何に役立つのか
- どうやって身につけることが出来るのか
をお伝えします!
リーガルマインドとは
そもそもリーガルマインドとは、「法律を知っていること」ではありません。
「リーガルマインド(=legal mind)」とは、直訳すると「法律的な心」。これだけじゃ、いまいちピンとこないですよね。
僕なりに一言で説明すると、リーガルマインドとは
「論理的に考えて、より正当性や妥当性のある方を判断できるセンス」
です。
つまり、自分の感情ではなく”客観的な事実”や”条件”をベースに、それぞれの立場を論理的に考えることができ、自分だけではなく全体が納得するような正当性や妥当性のある選択肢を導き出したり、判断できるセンスのこと。
常に冷静に状況を把握し、全体の利益を考えられる人は、「リーガルマインドを持っている」ということになりそうですね!
リーガルマインドは、法律職以外でも必要なの?
ここまで読んだ方の中には、
と疑問を持つ方も多いのではないでしょうか?
と思ってしまいますよね。
ただ個人的には、リーガルマインドは法律職に就く・就かないにかかわらず、社会人として身につけておくべき考え方だと思っています。
なぜなら「法律」というのは、色々な人との関わり合いの中で、みんなが仲良く暮らせるように作られたルールだからです。
そのため法律は、特定の個人やグループだけが得をしたり損をしたりしないように、全体の利益を考えてつくられています。
だからこそ、法律の勉強を通してリーガルマインドを身につけると、最終的には「自然と全体の利益を考え、皆が納得するような結論を導き出そうとする思考回路」が出来上がるのです。
この”皆が納得するような結論”を導き出せるスキルは、”皆”が力を合わせて働いている会社では必要不可欠なものです。
誰だって、「あの人達だけが優遇されてる」というような不公平・不平等な会社には長く勤めたくないですよね。
皆が納得して、気持ちよく働くためにも「リーガルマインド」が必要なのです。
リーガルマインドが役立つ場面
リーガルマインドを持っていると、感情論で自分勝手に動いたり、理不尽な文句を言って自分の意見を通そうとしなくなります。
そのため、自然とリーダーや皆のまとめ役を任されることが多くなります。
よく、大会の成績はそこまで良くないけど、部長やサークル長を任されている人っていますよね。
そういう人は、基本的に「皆を取りまとめる力(=リーダーシップ)」がある人です。リーガルマインドは、”リーダーシップ”にも通ずる要素があります。
つまり、「リーガルマインドを持っている」=「リーダーシップを発揮出来る」ということは、本業の実力にも勝る評価を受けられるということなのです。
ただ実際には、仕事だけが出来て、リーダーシップのない人が出世していく会社もまだまだ存在します。
そういう人が上司になると、
となり、部下が育たなかったり、最悪の場合部下が退職してしまいます。これは組織として成り立ちませんよね。
会社もこのような反省を繰り返して、だんだんとリーダーシップを発揮出来る人を出世させるようになってきました。
そのため、リーダーシップを発揮するための要素として、リーガルマインドが重視されるようになった結果、就活や人事評価の場面で「リーガルマインド」がだんだん注目されるようになったのです。
法律を学び始めると、自分が偉くなったように錯覚して自分が全て正しいと思い込む人も一定数出てきます。(実際、僕の周りにもいました。)
そうなってしまうと、リーガルマインドで高評価を受けるどころか、皆に煙たがられることになるので注意しましょう!
リーガルマインドを身につけるには
1、法律に関する本を読んでみる
「リーガルマインド(法律的な心)」という言葉の通り、リーガルマインドは法律を学ぶことで身に付きます。
そのため、法律を学んだことがない方は、まず法律に関する本を読んでみるところからはじめましょう。
最初に始める科目としては、「民法」が一番おすすめです。
「法律」とだけ聞くと難しいイメージがありますが、中でも民法は
- Aさんが、△△ベーカリーでパンを買った(=売買契約)
- 祖父が亡くなった(=相続)
など、僕たちの生活に深く関わっている法律なので、本を読んでいても状況がイメージしやすいと思います。
最初から基本書(※)を使って勉強しようとすると挫折しやすいので、まずは初学者向けの薄い本からはじめてみましょう!
少しずつでも法律を勉強することで、着実にリーガルマインドは磨かれていきます。
普段から法律を勉強する習慣がない方は、とにかく意識して法律に触れ続けることが大切です。
(※)基本書…いわゆる法律の教科書。情報量は多いが、その分ページ数が多い&難しい表現が多い
2、法律系資格の取得を目指す
また、法律系の資格を取得するのも、リーガルマインドを身につける上でおすすめな方法です。
”資格試験合格”という一定のゴールを目指すことで、どんな勉強すれば良いか迷わなくなる上、試験日が決まっているので法律に触れ続ける習慣がつきます。
実際、学校の授業を受けるよりも受験を意識した勉強の方が、学力が上がった方も多いはず。
せっかくなので、法律系の資格取得を通して、リーガルマインドを身に付けてみてはいかがですか?
もちろん、法律系の資格試験は「司法試験」だけではありません。
個人的におすすめの法律系資格は、
- ビジネス実務法務検定(3級)
- 宅地建物取引士
- 行政書士
の三つ。
まず「ビジネス実務法務検定」の3級は、法律初学者の方におすすめの資格です。
年2回試験があるので、次の試験まで勉強を頑張るのは長くても半年。
内容も基本的なことが多いので、法律の楽しさを知ったり、勉強の習慣を付けるにはピッタリな試験です。
2級も取得して、より本格的な法律系の資格試験へステップアップされる方も多いですよ!
また、就職後にも役立つ資格が欲しい方は「宅地建物取引士資格試験」や「行政書士資格試験」がおすすめです。
どちらも国家資格でなかなか難しい試験ですが、宅建士は民法と宅建業法を、行政書士は民法と行政法をしっかり学べば合格圏内です。
民法はそれなりに難しい内容が出題されるので、これらの民法で高得点が取れるようになれれば、リーガルマインドは身に付いていると言えます。
さらに、宅建士の資格があれば不動産業界では毎月数万円程の手当がつくことが多いですし、行政書士の資格があれば就職時に他のライバルに大きく差をつけることが出来ます。
ちなみに僕は、法律系の資格を取得したことで、辛い就活をせずに就職することができました!
3、法学部で学んでみる
という方は、思い切って法学部へ入ってみるという方法もあります。
もし、あなたが今現役の大学生なら、法学部へ転部するという方法もあります。
また、あなたが現在社会人で、
という方は、通信制大学の法学部へ通うという方法もあります。
特に有名な通信制の法学部は、中央大学。年間の学費は、なんと8万円です。
※中央大・法学部(全日制)の場合、1年間にかかる学費(授業料+施設設備費)は約100万円です。
司法試験合格者数1位になったこともある、”法律の中央”としても有名な中央大学で、年間8万円で法律を学べるのはとてもコスパがいいのではないでしょうか。
もちろん、通信制大学とはいえ”中央大学法学部卒業”になるので、簡単に卒業できるわけではありません。
ただ、法律という学問を通して、本格的にリーガルマインドを身につけたいのであれば、思い切って法学部に入るというのも良い方法だと思いますよ!
リーガルマインドを身につけて、周りのみんなに差をつけよう!
この記事を通して、リーガルマインドは法律職だけじゃなく、社会人一人一人が持っているべき考え方だということが分かっていただけたでしょうか?
もし、全員がリーガルマインドを身につけているのであれば、”良い会社”が限りなく増えることでしょう。
ただ、実際にはまだまだリーガルマインドを持っている人ばかりじゃないのが現実です。
だからこそ、リーガルマインドを持っている人は”貴重な人材”なので、就活や人事評価の場面でも評価され、周りの皆と差がつくこと間違いなし!
リーガルマインドを身に付けるには、法律の勉強を通して論理的な思考を養い、常に”全体の利益”を考えて調整する意識を持つことを習慣化する必要があります。
この機会にぜひ、リーガルマインドを身に付けて周りの皆に差をつけちゃいましょう!就活ももちろんですが、仕事を始めてからも一目置かれること間違いなしですよ!
最後までお読みいただきありがとうございました!